街の片隅に佇む、全国でも稀な守り神「社稷(しゃしょく)」茂平の街を歩いていると、ふと目にする「社稷」と刻まれた石碑。
これを見て、何と読むのだろう?と不思議に思う方も多いかもしれません。これは「地神さん」の一種ですが、実は全国でもこの周辺に数えるほどしか存在しない、極めて珍しいものなのです。
「国家」と「実り」を願う言葉
「社」は土地を、「稷」は穀物を表します。古代中国では、この二つの神を祀ることは国を治めることと同義でした。つまり、茂平の人々は新しい土地(干拓地)を築いた際、そこが「一国に等しいほど大切な場所」として栄えるようにと、この特別な名前を刻んだのかもしれません。
堤防と共に歩んだ歴史
地元では「堤防を築いた時に建てられたのではないか」と語り継がれています。荒波を防ぎ、お米が作れなかった塩害の苦労を乗り越えようとした先人たちにとって、この石碑はただの置物ではなく、新しい土地に命を吹き込むための、切実で力強い「祈り」の象徴だったのでしょう。
